しかし彼女はまだ病気で、毎日元気がなく、力が入らなかった。
医者は、彼女には心の病があるかもしれない、心配事が多すぎるから風邪がなかなか良くならないのだと言った。
藤堂辰也は彼女の心の病が何かを知っていた。彼女はここから離れたい、彼から離れたいと思っていた。
しかし、彼は彼女を行かせるわけにはいかなかった。
安藤若菜が風邪をひいて一週間後、ある夜突然高熱を出した。彼女は重症で、ずっと意識不明で、うわ言を言い、頭もぼんやりしていた。
救急処置は施されたが、彼女は良くなりたくなかった。彼女の病状は繰り返し悪化するばかりだった。
それに風邪が長引くと肺炎になる。
彼女が重病になることは、彼が望む結果ではなかった。
この日、安藤若菜は昼寝から目を覚まし、ベッドの横に座っている人を見て驚いた。