チケットを買い、ポップコーンとコーラも買って、彼らは映画館に入り、席を見つけて座った。
このアニメーションは子供たちに非常に人気があり、今日は初日上映だったので、会場は満席だった。
観客の70パーセントは子供たちだったが、子供に付き添って来た大人もいた。
彼ら二人だけが子供を連れていない大人で、そのため少し浮いていた。
映画が始まる時、安藤若菜は後ろの10歳くらいの少女に向かってこっそり言った。「席を交換してもらえませんか?」
少女は一人で来ていた。彼女は若菜の隣にいるハンサムなおじさんを見て、考えもせずに頷いて同意した。
藤堂辰也は彼女が何を言っているのか分からなかったが、彼女が立ち上がって彼の前を通り過ぎようとするのを見て、彼は彼女の手を引いて尋ねた。「どこに行くの?」