昼間暇だったので、彼女はテレビをつけて見始めた。
今日は11月20日、国際子どもの日だった。
安藤若菜はちょうどあるチャンネルでこの祝日についての放送を見ていた。国際子どもの日は、子どもを保護し、子どもの教育や健康などの問題に注目することを目的としていた。
画面では、有名なスターが児童養護施設でパフォーマンスを行い、施設のために寄付金を集めていた。
若菜はその児童養護施設がどこか見覚えがあると気づき、すぐに昨日訪れた施設だと思い出した。
J市には児童養護施設が二つあり、一つは裕福な施設で、もう一つは昨日行った「陽の光児童ホーム」だった。しかし陽の光児童ホームはあらゆる条件が良くなかったため、より多くの支援が必要だった。
テレビに映る子どもたちの無邪気で可哀想な様子を見て、若菜の同情心がすぐに溢れ出した。
そのとき、院長が康太を抱いてカメラの前に現れた。
彼は視聴者に抱いている子どもを紹介し、康太は自閉症の子どもだと説明した。幼い頃から両親に捨てられ、彼はずっと自分の世界の中で生きており、この世界に目を向けたことがなく、彼の世界には彼自身しかおらず、何の色彩もない…
院長がその後何を言ったのか若菜は知らなかった。彼女はただ康太を見つめていた。
小さな子は静かに自分の指で遊んでいて、目の前のフラッシュがどれほど眩しくても、一度も顔を上げて見ることはなかった。
本当に可哀想な子だ…
「安藤さん、何を見ているの?」島村おばさんが突然彼女の思考を中断させた。
「…テレビを見ていたの」
「この子、本当に可愛いわね。目が大きくて、うるうるしてる」島村おばさんは康太を見て、愛情のこもった表情を浮かべた。
彼女が康太を褒めるのを聞いて、若菜はすぐに誇らしい気持ちになった。
「そうなんです、彼はとても可愛いんですよ」
島村おばさんは彼女を一瞥し、再び康太を見て、笑いながら言った。「なんだか彼、あなたに少し似ているように見えるわ」
「え?」彼女は驚いた。島村おばさんは言った。「本当に似ているわ。ほら、あなたたちの目が似ているわ」
彼女はそちらを見て、確かにそうかもしれないと思った。
「彼は吉に似ているんでしょうね」若菜はそう結論づけた。
「吉って安藤さんの弟さん?会ったことがないから、どんな顔をしているのか分からないわ」