会場にいるこれらの坊ちゃんたちは以前に会ったことがあるけれど、このサークルに入るのは初めてだった。
伊藤諾と冗談を言っていたこの男性は、ある院長の息子である松岡晴彦だった……
伊藤諾は手にしていたチョコレートを松岡晴彦の顔に投げつけた。
「うるさい!俺がいつ女に興味がないって言った?」
「ふん、松岡雲が結婚してからというもの、お前はどの女とも付き合ってないだろ?名前を言えるなら、今日この3本全部飲み干してやるよ」
松岡晴彦のこの言葉は少し意外だった。
これが私と何の関係があるのか、なぜ突然私の話になったのだろう?
伊藤諾はソファに座り込み、松岡晴彦の質問には答えず、むしろ私をじっと見つめた。
記憶を辿ると、高校時代から伊藤諾は公認のイケメンだった。
彼は背が高くスラリとしていて、整った顔立ちでハンサム、色白で一重まぶた、犬を見る目でさえ深い愛情を感じさせるほどだった。