第18章 腹黑な男が私を罠にかけ始める

葉山夢愛との電話を切ると、私は一、二秒ほど気が散った。

葉山夢愛は私に何を説明するつもりだろう?

もしかして、彼らの間には他にも何か秘密があるのだろうか?

しかし、田中遠三が妊娠中に浮気したという話は、結局私と温井雅子の推測に過ぎず、葉山夢愛から直接確認を得たわけではない。

おそらく、葉山夢愛は彼らの浮気の詳細や、火災に関連する状況について教えてくれるのだろう。

携帯が鳴った。温井雅子からの音声メッセージだった。

周りに誰もいないことを確認して、再生した。

「祐仁、一晩考えてもやっぱり腹が立つわ。あなたが彼にこれだけ尽くしたのに、彼がこんな仕打ちをするなんて。もう、誰かに頼んで彼をぶん殴ってもらおうか!そうしないと気が済まないわ!」

温井雅子の声には怒りの感情が混ざっていた。