第24章 事態は収拾がつかない段階に

露天の駐車場で、田中遠三の車が停まったとたん、顔を覆った二人の男が刃物を持って突進してきて、田中遠三に向かって激しく斬りかかった。

運転手はその光景を見て、恐怖のあまり車の中に縮こまったまま出てこなかった。

田中遠三は体格がよかったが、素手では命知らずの集団に敵うはずもなく、ましてや相手は武器を持っていた。

田中遠三は車の周りを半周ほど走ったが、結局追いつかれてしまった。

血しぶきが飛び散るのを見て、私は我に返り、急いでホテルの前に駆け寄り、入口の消火栓からホースを取って、蛇口を開けると、その男たちに向かって突進した。

勢いよく噴き出した水流は、二人を直接倒した。

私はその隙に大声で叫んだ。

「警察に通報したわ!警察がすぐ来るわよ!」

二人の不良はそれを聞くと、ようやくびしょ濡れの地面から這い上がり、転げるようにして逃げ去った。