丸々一分間の沈黙の後、伊藤諾はようやく問い返した。
「私がそんなことを言ったかしら?」
「違うの?」
「他に何か言った?」
「うーん、ないよ、それだけ……」
「ありえない、それは私が言いそうなことじゃない!」
彼は撤回し始めた。私は彼と細かいことを争うつもりはなかった。どうせ彼の言いたいことも理解していなかったので、この問題はこれで終わりにした。
私はこれ以上彼と議論を続けなかった。
「いいよ、いいよ、言ってないならそれでいい」
「ねえ、私のスマホを見たの?」
伊藤諾がまた尋ねた。
「どうして?スマホに人に見られたくない秘密の写真でもあるの?」
「そんなことないよ!ただ……まあいいや、見た?」
「見てないよ!」
盗み見るようなこと、私は当然認めるわけがない。そうしたら今後どうやって友達でいられる!