第130章 こんな展開は受け入れられない

「はい!」

「はい?何がはいなの?それとも...あの出会いはあなたが仕組んだの?」

「全部そうだよ!」

「つまり、あなたは一度も祐仁を愛したことがなくて、ずっと彼女を利用していただけなのね?」

「そうだ、全部そうだ、これで満足か?」

田中遠三の告白を直接聞いて、私は涙が止まらなくなった。

なんてこと、私は田中遠三と10年間愛し合っていたと思っていたのに、全て私の思い込みだったなんて。

結局、私たちの間に愛情なんて存在しなかったのだ。

最初から最後まで、ただの騙し合いだった。

彼は一度も私を愛していなかった。

ふふ......

田中遠三の姿が徐々に遠ざかっていく。

温井雅子はようやく階上に戻ってきた。

彼女は私を慰めながら言った。

「祐仁、あまり悲しまないで。クズ男はクズ男よ、彼のために悲しむなんて価値がないわ」