「まあ、好きに言えばいいわ!どうせ来週の金曜日の記者会見で、あなたも分かるわよ」
エレベーターのドアが開き、葉山夢愛はエレベーターから出て行った。
私はしばらく頭が回らず、エレベーターのドアが閉まり、再びゆっくりと上昇していくのを見ていた。
どれくらい時間が経ったか分からないが、ようやく我に返った。
「松岡さん、あなたここで三回も上下してるけど、どうしたの?」
久保雲子が私の様子がおかしいことに気づき、声をかけてきた。
「ああ、ちょっと考え事をしていたの!」
「松岡さん、最近仕事で疲れすぎじゃないですか?ちゃんと休めてないみたいですね。会社の業績も明らかに良くなってきてるんだから、体調にも気をつけないと」
「大丈夫よ、心配してくれてありがとう!」
エレベーターを出ると、外はもう暗くなっていることに気がついた。