第148章 恋愛に潤される

これらの健康食品は高価なので、彼はきっと会社の経費で処理するつもりだ。

ちょうど前の会計担当の横田莉子を私が追い出したところで、今は新しく沢田おばさんが会計を担当している。

沢田おばさんは元々会社の第一期の古参社員で、50歳を超えているが、賢明で細やかな人柄で、臻一株式会社で長年働いてきて、一度もミスをしたことがない。

田中遠三に解雇された後、私が彼女を再び雇い入れた。

今、沢田おばさんは私に感謝の気持ちを持っているので、当然、田中遠三の今年の正月時の支出を調べるのを手伝ってくれるだろう。

今はコンピューターで会計処理をしているので、資料を検索するのは簡単だ。

すぐに、沢田おばさんは正月元日に田中遠三がいくつかの支出をしていたことを見つけた。

「松岡さん、これを見てください!」

「これらの支出がどこでされたのか調べてもらえますか?」

「主に西通り薬局での支出で、健康食品の購入です……」

西通り薬局?

田中遠三が毎年その薬局で栄養剤やツバメの巣などの補助食品を買っていたことを覚えている。

真相を突き止めるには、その薬局に行ってみる必要がありそうだ……

「沢田おばさん、ありがとうございます!本当に大きな助けになりました。」

「いいえ、お安いご用よ。ちょっとした手助けですから。ああ、年を取ると大したことはできなくなるわね。」

「沢田おばさん、そんなこと言わないでください。今回あなたをお招きしたのは、会社があなたを信頼しているからです。あなたは今、会社の管理人のような存在です。会社をしっかり管理して、亡くなった田中夫人に恥じないようにしなければなりません。」

この言葉に、沢田おばさんは突然涙を浮かべ、声を詰まらせながら言った。

「田中夫人はいい人でした。ただ命が短すぎた。彼女がいた頃は、会社はすべて上向きでしたが、この葉山さんが来てからは、いろいろと妖しげなことが起きて、会社の将来が心配です……」

沢田おばさんの言葉には含みがあり、私はすぐに異常を感じ取った。そこで椅子を一つ持ってきて、沢田おばさんと腹を割って話し合った。

そこで葉山夢愛という女性が、私の想像以上に複雑な人物であることがわかった。

そして彼女のような性格で会社を続けていけば、会社は本当に倒産まで遠くないだろう。

様々な黒幕の話を聞いて、私は衝撃を受けた。