第175章 田中社長は損をするつもりですか

伊藤諾は病院システムに友人がいて、すぐに調べることができた。

彼が友人に電話をかけている間、私と温井雅子は隣に座って彼を見ていた。

電話を切った後、彼は私の方を見た。

「わかったよ。葉山夢愛はてんかんなんてないんだ。僕の同級生が診察したんだけど、病院に運ばれた時はてんかんの疑いがあったけど、その後の検査では何の問題も見つからなかったって」

温井雅子は焦って、汚い言葉を吐いた。

「あの女、ただの厄介者よ。演技してたのよ!やっぱりね!」

私もその言葉を聞いて黙り込んだ。

実は葉山夢愛が演技をしていたかどうか、私は前からうすうす気づいていた。

当時は疑っていただけだったが、今それが確認された。

伊藤諾が私を見て、

「手伝おうか?」

「何を手伝うの?あなたに何ができるの?」