伊藤諾は病院システムに友人がいて、すぐに調べることができた。
彼が友人に電話をかけている間、私と温井雅子は隣に座って彼を見ていた。
電話を切った後、彼は私の方を見た。
「わかったよ。葉山夢愛はてんかんなんてないんだ。僕の同級生が診察したんだけど、病院に運ばれた時はてんかんの疑いがあったけど、その後の検査では何の問題も見つからなかったって」
温井雅子は焦って、汚い言葉を吐いた。
「あの女、ただの厄介者よ。演技してたのよ!やっぱりね!」
私もその言葉を聞いて黙り込んだ。
実は葉山夢愛が演技をしていたかどうか、私は前からうすうす気づいていた。
当時は疑っていただけだったが、今それが確認された。
伊藤諾が私を見て、
「手伝おうか?」
「何を手伝うの?あなたに何ができるの?」