これを聞いて、私はすぐに声を上げて彼を遮った。
「諾、私にやらせて!」
伊藤諾は振り返って私を一瞥し、鈴木誠一との通話を終えた。
彼は携帯を脇に置き、微笑みながら私に近づいてきた。
「起きたの?」
「伊藤諾、葉山夢愛のことは私に任せて!」
「お腹空いたでしょ、牛乳温めるね!顔色悪いけど、どこか具合悪いの?」
彼は終始私の言葉に正面から答えようとせず、話題をそらし続けた。
「伊藤諾、葉山夢愛のこと、田中遠三に関することは何でも、私自身がやる。あなたは干渉しないで。もし干渉するなら、私たちは友達でいられなくなるわ」
伊藤諾は私を見つめ、しばらくしてから言った。「もう遅いよ!」
「何が遅いの?」
「僕たちはもう運命共同体になったんだ!」
伊藤諾の言葉に、私はしばらく混乱した。