この小さな私心というのは、私も天藤会社を利用して、田中遠三を打ち負かしたいということです。
私の素手だけでは田中遠三を倒すことはできません。武器が必要です。そしてその武器こそが天藤会社なのです。
伊藤諾が私を壇上に招きました。
「さあ、新しいディレクターにスピーチをお願いしましょう。」
ちょうど昨晩、資料を準備していたので、取り出して自分の計画の要点を説明しました。
これも私の新しい職位での計画といえるでしょう。
伊藤諾もこの企画書を高く評価してくれました……
彼は私に対しても非常に肯定的で協力的でした。
私が必要とする人事異動や各種決定に、彼はすべて同意してくれました。
自分を支持してくれる人と一緒に働くことは、心身ともに幸せなことです。
私が仕事に全力を注いでいる時、田中遠三は当初の計画通りに伊藤家への攻撃を続けることはありませんでした。