第340章 罪悪感

松岡文雄はその言葉を聞いて喜びに満ち、恐縮した表情を浮かべた。

「松岡お嬢さん、ありがとうございます。やはり母が言っていた通りですね。あなたは本当に思いやりがあって、人助けを厭わない女性です。あなたは本当に優しい。もしこの件がうまくいけば、私たち松岡家にとって大きな意味を持ちます。これからはあなたは私たち松岡家の恩人です。どうか私の礼を受け取ってください!」

松岡文雄は興奮して、その場で私に何度も頭を下げた!

私は急いで彼を支えた。

もし彼が、私が松岡雲だということを知ったら。

私が田中遠三という飢えた狼を松岡家に引き入れ、松岡家の崩壊を招いたのだと知ったら。

彼はきっと私を心底憎むだろう!

「松岡さん、そんなに!私はただ少しだけ力になるだけです。でも、彼を必ず説得できるとは約束できません。」

「大丈夫です、あなたの良い知らせを待っています!」

「はい、わかりました。では失礼します。」

ここにはこれ以上長居できない。

急いで会話を終えて、その場を去った。

青木県に戻ったのは既に真夜中だった。その夜、ベッドの上で寝返りを打ちながら眠れなかった。

あれこれと考えて……

翌朝、私は三橋グループに行った……

かなり早く着いたので、田中遠三はまだ来ていなかった。

おそらく田中遠三が受付に前もって言っておいたのだろう、私が入るとすぐに、女性の受付は笑顔で私の腕を取った。

「松岡さん、田中社長が言っていました。もしあなたがいらっしゃったら、先に彼のオフィスでお待ちくださいとのことです。」

「そう?」

彼は私が彼を訪ねてくることを予測していたのか?

この男は、一体何を考えているのだろう?

様々な疑問を抱きながら、私はエレベーターに乗り、社長室へと直行した。

実は少し焦っていて、来るのが早すぎたかもしれない。

この時間帯、会社の大半の従業員はまだ出勤していない。

オフィスはとても静かだった。

女性秘書がお茶を持ってきて、とても丁寧に教えてくれた。

「田中社長は通常9時に会社に来られます。まずはお茶をどうぞ、少々お待ちください。」

「はい、ありがとうございます!」

女性秘書が去った後、私の視線は彼のデスクを巡った。

デスクの上に積まれた書類は、きちんと整理されていた。