第90章:どこから来た子供

それから靴屋、化粧品店、宝石店などを回った……3時間もしないうちに、この女性は200万以上も使ってしまった。買ったものはショッピングカートに山積みになっていた。

「もういいわ、車に積んで、これ以上買わないことにするわ」夏目美香は自分が買ったものを見て、特に気に入ったというわけでもなかった。でも今日は気分が悪かったのだから仕方ない。彼女が気分が悪いときは、お金を使うことだけが少しスッキリさせてくれるのだ。

黒板菫は少し離れた大型の母子用品店を指さした。

「あの、お宅の坊ちゃんに何か買わないの?」黒板菫は驚いた。お金持ちというのはこういう生活をしているのか。それに夏目美香は人妻なのに、買い物に出かけても自分のものばかり買って、夫や子供のために一つも買っていなかった。

夏目美香も前方の母子用品店を見たが、眉をひそめ、明らかに行きたくなさそうだった。