元旦が過ぎ、また新しい年が始まった。この頃、氷と雪が溶け、天気が晴れてきて、夜都の人々は次々と外に出て活動し始めた。広場ではお馴染みの広場ダンスの音楽が鳴り響き、おばさんたちが歌い踊り、とても楽しそうだった。
しかし、この平和な日々は深山家には訪れなかった。
今の深山家は大騒ぎになっていた。
次々と警察車両がやってきて、消防車まで到着していた。
見物人はどんどん増え、皆が屋上にいる女性を指さして話していた。
木下奈々は玄関で焦って足踏みし、携帯電話を握る指は震え、顔色は恐ろしいほど青ざめていた。
「義彦、会議はやめて、早く帰ってきて!早く帰ってきて!」彼女は電話の向こうの息子に叫び、すでに何度も催促していた。心臓が胸から飛び出しそうだった。
彼女は携帯を投げ捨て、そばにいた警察官の手を引いた。