第249章：人を見つけた

夏目美香はすでに半分酔っていて、歩くのもふらついていた。最近、彼女はよくバーやナイトクラブ、カラオケなどの場所に現れていた。あと1ヶ月で海外に行くことになっており、その後は国に帰る機会がほとんどなくなる。だから最後の2ヶ月間は、思い切り羽目を外して楽しみ、親しい友人たちと過ごしたいと思っていた。結局、オーストラリアに行けば、こんな古い友人たちもいないし、一緒に遊んでくれる人もいなくなるのだから。

「美香姉さん、送っていくよ」夏目美香の仲間の一人が近づき、彼女を支えた。

「いいわよ……」夏目美香は体重のほとんどを仲間に預け、酒瓶を持ち上げてもう一口大きく飲み、そして空になった瓶を地面に叩きつけた。

「帰ろう……」彼女はケラケラ笑い、前方を指さして、酔いしれた様子だった。