葉山のお城で、賀川心が病院から家に戻ったときはすでに正午近くになっていた。そしてようやく葉山大輔から返信のLINEメッセージが届いた。
「午前中はいくつかの取引先との打ち合わせで、スマホをマナーモードにしていた。どうしたの?家に何かあった?」
賀川心はソファに座り、画面に表示されたメッセージをぼんやりと見つめていた。彼女は唇を噛み、苦笑いを漏らした。
考えてみれば、彼女の頭は回路がショートしたようなもので、状況もよく確認せずに慌てて病院に駆けつけ、とんだ勘違いをしてしまった。
幸い葉山大輔はこのことを知らないから、知っていたら何か誤解されていただろう。
彼の返信を見ながら、賀川心は数分間考えても返事の仕方がわからなかった。彼女は髪をかきながら、最終的に気まずそうに入力した: