第323章：縁子は兄になる

「あなたが言うには、彼女は私に似ているの？」賀川心は自分を指さした。

白山雨子はうなずいた。

「そうね、でもそんなに似ているわけじゃないわ、ふふ……私の目が疲れているのかもしれないわ」白山雨子は笑顔を見せた。実は彼女が言いたかったのは、さっきの女の子は賀川お姉さんが痩せていた頃に少し似ていたということだった。ただ、その子の方が背が高くて、実際には賀川お姉さんよりも美しかった。

彼女は一目見ただけで、その女の子に見覚えがあることに気づいた。

賀川心は「ああ」と言ったが、目には特に波風は見られなかった。どうせ自分はそれほど特徴的な顔立ちではないし、誰かが自分と少し似ているのは普通のことだろう。

お城に戻ると、縁子がよろよろと走ってきた。

小さな子はもう満1歳になり、愛らしく可愛らしく育ち、ますます賢くなって、たくさんの単語を話せるようになっていた。彼は10ヶ月で歩くことを覚え、今ではかなり安定して歩けるようになり、お城の中を自由に走り回ることができた。時々転んだりすることもあったが、小さな子は強く、転んでも痛くなければ泣かずに自分で立ち上がって歩き続けた。