第367章：賀川お姉さんにはもう一人子供がいる

彼女は、あの時に夏目美香を助けて、義彦に賀川心を追い出させなければ、今頃は自分も祖母になれていたのではないかと思った。すべては彼女のせいで、素晴らしい家庭を台無しにし、息子をこのような苦しみに陥れてしまった。

彼女は共犯者だった。

木下奈々は深くため息をつき、無力に頭を振った。今となっては、あの少女を責めることもできないし、彼女に会うこともできない。

「写真を見せてください」彼女はすでにしわが増えた手を差し出した。

林艶子は携帯電話を木下奈々に渡した。

木下奈々は目を拭いてから、携帯電話の写真を見た。彼女はまず、とても幸せそうに笑っている元義理の娘を見て、次に抱かれている赤ちゃんを見た。突然、彼女は顔を上げ、驚いた表情で呉羽敏子と林艶子を見つめた。

「この写真のベッドの横にあるおもちゃは何？当時、病室に他の子供がいたの？」木下奈々は目を大きく見開き、心臓が急に締め付けられるような感覚になり、非常に敏感になっていた。