深山義彦は眉をひそめ、少し不機嫌そうに自分の母親を見つめていた。
「もういいよ、お母さん。子供はもう家に帰ってきたんだから、そんな聞き苦しいことを言うのはやめてよ。それに裁判所も言ったじゃないか、心姉はいつでも子供に会いに来ていいって」
深山義彦は母親がいつからこんなに道理が通じなくなったのか、本当に理解できなかった。木下奈々は不満げにため息をついた。「そうは言っても、賀川心は今、精神的に不安定なのよ。どうして彼女に子供を会わせる気になれるの?このままでいいわ。会いたいなら家に来ればいい。でも子供を連れて他の場所に行くのは絶対ダメ」
また子供を連れて行方をくらますかもしれないし。
深山義彦は不満そうにため息をつき、縁子を抱いて自分の寝室へ向かった。道理の通じない母親とはもう話す気にもなれなかった。