第483章:スマホの中のお母さん

深山義彦は携帯スタンドを使って、テーブルの上に携帯を置いた

ビデオ通話が繋がると、縁子は興奮して叫んだ:「お母さん……」

そう呼んだ後、携帯に向かって小さな手を振り続けた。

ビデオの中で、賀川心も興奮していた。彼女は安堵の笑みを浮かべ、自分の宝物に手を振った。

「縁子、ご飯食べた?」賀川心は尋ねた。

理解した縁子は力強く小さな頭を一度うなずいた。お母さんに食べたことを伝えた。

「いい子ね!」

ビデオの中で、賀川心は親指を立てた。縁子はくすくす笑いながら、お母さんの真似をして親指を立てた。

そのとき深山義彦がやってきた。彼は手を伸ばして縁子を抱き上げ、自分の膝の上に座らせた。彼の目は携帯画面の女性、彼の元妻を見つめていた。もちろん彼の心の中では、彼女は妻であり、最愛の女性だった。