羽柴明彦は朝早く起きて、頭が割れるように痛かった。
彼は苦労して体を起こし、自分がベッドルームのベッドに横たわっていることに気づいた。普段着ている寝間着を着ており、部屋にはまだ少しアルコールの匂いが漂っていたが、昨夜の記憶は全く残っていなかった。
「起きた?ご飯食べよう〜」
彼が階段を降りてくるのを見て、夏目芽依はちょうど盛り付けたお粥をテーブルに置いたところだった。
前の晩、鈴木ママは帰る前に炊飯器にお粥をセットしてタイマーをかけておいた。おそらく夏目芽依の料理の腕前を信用していなかったので、事前に準備をしておいたのだろう。
「これは二日酔いに効くお茶よ」夏目芽依はカップを彼の方に押し出した。
羽柴明彦は下を向いて二度見てから、カップを持ち上げて一口飲んだ。温かいお茶が胃に入ると、ずっと楽になった気がした。