第71章 頭を悩ませる

「羽柴社長、これは先月のホテルの売上データです。」

画面上の数字を見て、羽柴明彦は不機嫌な表情を浮かべた。「どういうことだ？」

風光グループは以前、一連のマーケティング施策を講じ、業績が好転し始めたかと思いきや、またもや押さえ込まれ、市場シェアの大部分を占めているのは依然として古くからのライバル、リトウホテルだった。

「最近は新規顧客が少なく、年末ということもあって既存顧客の意向も不明確です。来年の売上見通しも楽観視できません。」取締役会のメンバーたちの表情は冴えなかった。

「羽柴社長、風光ホテルの株式を減らすことを検討し始めるべきではないでしょうか。現在、我々のグループの重点はすでにこの分野にはなく、リトウとの競争においても大きな優位性はありません。他の事業の発展に専念した方がいいのではないでしょうか。」