第173章 もう二度としない

監視室内。

「え?これはどういう状況?」警備員の一人がお茶を持って席に座ると、モニターに映る異常に気づいた。「ちょっと来て、見てくれ。」彼は手を振って別の警備員を呼んだ。「こんな時間に、ビルにまだ人がいるなんて?」

隣の警備員は先ほど入口で立っていた者で、今は休憩室で交代勤務中だった。彼はカメラに映る人物をよく見て、「あれは羽柴社長じゃないか?さっき入口で女性を連れて上がるのを見たけど、この人かな?」

「この女性、どうしたんだ?発狂してる?」彼は頭をかきながら言った。「さっきまではきれいな若い女性に見えたのに。」

「何だって?羽柴社長だって?」経験豊富な警備員はすぐに手のお茶を置き、トランシーバーを取った。「注意、注意、60階で状況発生。羽柴社長と見知らぬ女性が衝突、近くの同僚は支援に向かってください。繰り返します...」