第199章 寝る

夏目芽依は髪を擦りながらぼんやりしていた。これは彼女が初めて羽柴明彦の浴室を使う時だった。前の二日間もここで寝ていたが、早めに自分の部屋でお風呂を済ませていた。今日は修正案の作成に忙しくて、間に合わなかった。修正案のことを思い出すと、彼女は思わず緊張した。こんなに忙しかったのに、まだ書き終えていない。今から戻って書くこともできないので、明日早く起きて残業するしかない。

そう考えると、心が沈んだ。これからしばらくの間、こんな生活を送らなければならない。

浴室を出ると、寝室の明かりはすでに消えていた。夏目芽依はそっとベッドの端に行き、布団の隅を少し開けて、静かに潜り込んだ。ベッドの端にぴったりとくっついて、彼女は最近毎日そうしていた。幸い羽柴明彦のベッドは十分大きいので、相手の影響をあまり受けず、まあまあ快適に眠れる。