第202章 助けを求める

「君の一番好きな子羊のリブを注文したわ」林田希凛は羽柴明彦にワインを注ぎながら、優雅に微笑んだ。「どう?最近忙しい?あなたたちが旧市街再開発プロジェクトを引き継いでいるって聞いたけど」

羽柴明彦はナプキンを広げながら首を振った。「引き継いだわけじゃない、手伝っているだけだよ。おばさまの気分は最近少しはよくなった?」

「ずっとよくなったわ。この頃はほとんど外出していなかったから、今は暇なときに会社に顔を出して、何か仕事を見つけるように勧めているの。家にいて余計なことを考えないように。今はもうあまり泣かなくなったわ」

「うん」羽柴明彦は頷いた。「会社は?今は問題ない?」

林田希凛は事情を詳しく彼に話した。「実は今日あなたを誘ったのは、小さなお願いがあるからなの。手伝ってくれるかしら」