「これ全部自分でやったの?」
夏目芽依は頷いた。「はい…」
佐藤文太はパソコンの画面を見ながらマウスをスクロールさせた。「こんな短時間で一人で、要件の理解からロジックの整理、そして今基本的なフレームワークまで作り上げるなんて、かなり速いペースだよ。」
その言葉を聞いて、夏目芽依の眉間がわずかに緩んだ。彼が先ほどパソコンに向かって真剣で厳しい表情をしていたのは、本当に緊張させられるものだった。
「何か手伝えることはある?」
「私は…初期審査を手伝ってほしいんです。」夏目芽依は言った。彼女はあれこれ考えた末、自分の仕事の結果を評価してくれる人がいないのはまずいと思った。そして自分の知り合いの中で佐藤文太より適任な人はいないだろう。
佐藤文太は一瞬固まり、手で眼鏡を直した。「内部審査を手伝ってほしいってこと?」