車は繁華街にある有名なショッピングモールの前に停まった。ここの商品は高価で、夏目芽依は普段一人でこんな場所に来ることはなかった。
「お母さん、食事に行くって言ってたじゃない。ここに来て何するの?」
「もちろん、あなたをきちんとおしゃれにするためよ」夏目智子は優雅に車から降り、ハンドバッグを手に取り、エレベーターに向かった。
彼女のその言葉に、芽依はさらに不安を感じた。一体誰と食事をするのか、服装にまで要求があるなんて。
30分後、芽依のカジュアルな服装はシャンパンカラーのミディアム丈のフレアスカートに変わっていた。
「これでずっと見栄えがいいわ」夏目智子は満足げに頷いた。「さあ、行きましょう」そう言って、彼女の腕を取った。
夕食の場所は高級フレンチレストラン、ミシュラン二つ星だった。