「よし、今日の会議はここまでだ。散会する。」
羽柴明彦は立ち上がり、テーブルの上の資料を手に取って会議室のドアから出た。
「羽柴社長、これはボックスマニアプレイの高橋社長が先ほど人を遣わせて持ってきたオープニングパーティーの招待状です」木村城太は手を伸ばして招待状を渡した。「明日の夜のイベントに特別にあなたを招待しています。」
羽柴明彦はそれを受け取って一目見ると、高橋山雄の会社だと分かった。
両社の間にはまったくビジネス上の付き合いがなく、将来的にも交わる可能性は低い。なぜ自分がこのパーティーに招待されたのか分からなかった。前回のようなチャリティーディナーならまだ理解できるのだが。
「羽柴社長、断りましょうか?」
「いや、必要ない」羽柴明彦は手を振った。「参加するよ。そういえば、前に探すように言った人はどうなった?」