第597章 西北風を飲みたくない

「超気持ちいい」同僚が説明しようとした。「取引先の会社がたくさんあって、人が行けばすぐに契約が取れるらしいよ。月給が六桁になるのも普通だって」

「嘘を言うな」田中晴はすぐに彼女を制止した。「もし営業マンが簡単に数十万も稼げるなら、それは我が社がすでに世界的に有名な成功企業だということだ。今の状況がそう見えるか?」言ってから失言したことに気づき、夏目芽依を見た。「我が社が悪いという意味ではないよ〜」

夏目芽依は首を振り、軽く笑った。これは彼女の会社ではないし、どんな規模でどれだけ成功しているかは特に気にしていなかった。それに、本当に気にしたところで意味はない。

一方、羽柴明彦は間もなく入荷する新しいフィギュアの処理方法を考えていた。

風光グループは、もはやホテル経営だけではないとはいえ、フィギュアと関係を持つのは確かに簡単ではない。しかし、商人である以上、どんな目的であれ手に入れた商品は、活用して利益を最大化する方法を考えなければならない。