石塚千恵は田中院長が大企業の管理形態をまったく理解していないと感じ、彼の幻想を打ち砕かざるを得なかった。「田中院長、笹木志明を見つけたとしても、この件は彼も決定権がないでしょう。なぜなら、このお金は彼自身が出すのではなく、金海が出すものです。彼は今や経営に関わっていないので、何の決定権もありませんよ!」
田中院長は不機嫌になり、指の間に挟んだタバコの先で石塚千恵を指した。「石塚さん、若い人は積極的に行動すべきだよ。試してもいないのに、あれもダメ、これもダメと言うものじゃない!」
「……」石塚千恵は下唇を噛んで黙っていた。
もう、彼女はこれ以上恥知らずになれというのか?
本当に彼女に枕営業をして、スポンサー資金を手に入れろというのか?
田中院長はタバコを一服吸った後、続けて言った。「他の人がダメでも、あなたならできるかもしれない。他の人ができないことも、あなたならできるかもしれないよ!試してみなければわからないだろう?この件はやはりあなたが担当して、笹木社長との会合をセットしてくれ!」