第38章 金海を訪問する

「どこがよ!」松本雨音は大笑いし、皮肉っぽく石塚千恵を見た。「あなたも私をほめてばかりいないで、あなただって同じじゃない、どれだけの金持ちの息子たちがあなたを追いかけていたのに、あえて橋口俊樹を選んだのよね、あの時彼の家は経済危機に陥っていたのに!」

「うん、あの頃彼は金持ちの息子だったけど、ピザ一枚も食べられないほど貧乏だったわ!私たちがエビ入りシューマイを一度食べるのは、とても贅沢なことだったの!毎回食べに行くと、私はすごく嬉しかった!」石塚千恵は過去を思い出した。橋口俊樹はプライドが高い人で、お金がなくても、デートの時は絶対に彼女のお金を使わなかった。

「バカな子ね、シューマイ一食でそんなに喜ぶなんて!」松本雨音は彼女に言いながら、自分自身にも言っていた。