笹木蒼馬!
彼がなぜここに?石塚千恵は驚き、反射的に鈴木越哉の手を振り払った。
笹木蒼馬も彼女とここで会うとは意外だった。
笹木未桜は自信に満ちた足取りで、魅力を振りまきながら鈴木越哉に向かって歩いていった。
鈴木越哉もいつもの軽薄な笑みを浮かべ、腕を伸ばして彼女の腰に手を回した。「美人の邪魔をするのが怖かったんだよ、あなたの人気に影響が出るといけないからね!」
「ふふ、越哉お兄さんはいつも上手いこと言うわね!」笹木未桜は笑い続け、声も超甘かった!
石塚千恵は思わずこの女性を横目で見た。甘え上手な女だ。しかも彼女の甘え方は絶妙で、上品で、うるさくなく、伊藤奈々のような偽物とは違い、その優しさで他のどんな女性も凌駕していた!
否定できないのは、彼女の外見も非常に良いということだ。二十歳くらいだろうか、身長は172センチほどで、脚が長く腰が細く、長い髪がなだらかに垂れ下がり、古代の貴婦人のような雰囲気を醸し出していた。