「チリンチリン——」携帯の着信音が鳴り、なんと義母からの電話だった。
石塚千恵は怠ることなく、急いで電話に出た。「お母さん、どうしました?何かありましたか?」
「俊樹は?彼に電話したけど出なかったわ!」義母の秋山頌子の口調は相変わらず無愛想だった。
「ああ、たぶんトイレにいるんじゃないでしょうか?」
「彼を呼んできて、話があるの!」
「はい、わかりました!」千恵は電話を持って外に出た。
ちょうど鈴木越哉と橋口俊樹が部屋から出てきて、エレベーターの方向に歩いていた。二人とも服装はきちんとしていて、外出するつもりのようだった!
「俊樹!」
呼ばれた人は声を聞いて足を止め、振り返った。少し意外そうだった。
「お義母さんからの電話よ、あなたに話があるって!」彼女は電話を差し出した。