第285章

鈴木越哉は頷いた。

石塚千恵は彼が理解したことを知っていた。「ありがとう、航空券代は私が出すわ。あなたが私の信頼できる友達であってほしいの、できる?」

鈴木越哉はまた頷いた。実際、彼はすでに恥ずかしく思っていた。

「今回はあなたが私の味方でいてくれることを願うわ。私たちの友情を裏切らないでね。結局、長年あなたを親しい友達だと思ってきたし、もう性別の境界を完全に超えているのよ!」

鈴木越哉は苦笑した。「僕は君が信頼できる人間だと思うよ。確かにこの件は僕にとって難しいことだけど!」

しかし、千恵が損をするわけにはいかない。そして彼女が小さな馬鹿のように橋口俊樹に騙されているのを見るのは忍びなかった。

仕方がない、人事を尽くして天命を待つしかない。

彼を捕まえたとしても、それは彼の不運としか言えない。

橋口俊樹よ、すべては自分の運命次第だ。

願わくば...千恵を裏切らないでくれよ。

千恵も非常に悩んでいた。彼女も橋口俊樹が自分を裏切るようなことをしているとは信じたくなかった。

しかし、もし彼が自分を裏切っているなら、この結婚から潔く解放されるかもしれないと考えると。

人間とは、常にそれほど複雑なものだ。

———

飛行機の中で、二人は恋人のように抱き合った。

飛行機を降りるとすぐにホテルへ向かい、部屋に入るとお互いの服を引き裂き始めた!

その後、橋口俊樹は事後のタバコを吸っていた。

「今夜は本当に一緒に寝られるの?本当に私から離れないの?」谷口さんは哀れっぽく尋ねた。

「ああ、今日も明日も明後日も俺はお前のものだ!」橋口俊樹はこの感覚が本当に良いと感じた。毎日石塚千恵の前で神経質になるよりずっと良かった。

「私、幸せよ。やっと一人で空っぽのベッドで寝なくて済むわ。橋口兄さん、あなたが去った後、私が一人でベッドに横たわってどれだけ寒かったか分からないでしょう!」谷口さんは泣きながら不満を述べた。

橋口俊樹は彼女のこの哀れな様子を見て、心が痛んだ。「ごめん、君を苦しめてしまったね!」

「いいえ、橋口兄さんと一緒にいられるだけで、私はとても幸せよ。あなたを悩ませたくないわ。あなたが好きなのは奥さんだってことは分かってるから!」