第368章 生徒のお父さんからの招待3

君一ちゃんは初めて千恵の厳しさを感じた。彼らの院長よりも厳しいくらいだ!

それが少し怖くて、しょんぼりとピアノ練習室へ向かった。

「千恵、絶対に行かないでね。もし僕を騙したら、もう二度と話しかけないからね!」ドアを閉める直前、君一は念を押した。

階段の入り口に立っていた石塚千恵は、わざと彼をからかって言った。「そんなこと考えてなかったけど、そう言われると思い出したわ!」

君一は心配で泣きそうになり、余計なことを言った自分を恨んだ。

石塚千恵は笑いながら、彼を急かすように手を振った。「早く入りなさい!」

笹木蒼馬は石塚千恵の後ろに歩み寄り、両手で彼女の肩をつかみ、息子に言った。「安心して、パパが石塚先生を見張っておくから。今日は彼女が何と言おうと帰れないよ!」

これでようやく君一は安心した。