第384章 おじさんイケメンが可愛く振る舞う

「笹木志明、最後の期限を与えるわ。今日も君一を連れてこなければ、あなたの家に人を送って騒ぎを起こすわよ。あなたの昔の醜聞を暴露して、笹木家が恥をかくかどうか見てみましょう!」吉田彩花は電話で脅した。

笹木志明はこの女性に腹が立って仕方がなかった。「少しは理性的に、普通に考えられないのか?うちの家の顔に泥を塗って、あなたに何の得があるんだ?私の息子はあなたの娘婿じゃないのか?」

吉田彩花はすぐに泣き出した。「でも私も娘が心配なのよ。美和もあなたが見守ってきた子でしょう。彼女が死ぬのを見たいの?」

「そんなはずがない。美和は君一のお母さんだ!もういいから、泣かないで。今、蒼馬を説得しているところだろう。彼がどんな性格か知っているだろう。彼が簡単に私の言うことを聞くと思うか?」

吉田彩花は鼻をすすった。「とにかく、今日だけよ。今日中に子供を連れてこなければ、あなたの昔の醜聞を公表して、奥さんにあなたがどんな人間か知らせるわ!」

笹木志明は呆れて笑うしかなかった。この人は本当に幼稚だ。「私にどんな醜聞があるんだ?昔、同時に何人かの彼女がいただけじゃないか。今時、それが大したことか?」

笹木志明がそう言ったとき、ちょうど上原梅子が入ってきた。彼女は目を大きく見開き、笹木志明のお腹をきつくつねり、唇の動きで問いただした。「すごいじゃない、同時に何人もの彼女がいたの?」

笹木志明は妻を抱きしめ、なだめるように微笑んだ。

吉田彩花は彼を脅せないと分かり、さらに怒った。「いいわ、あなたは年を取っただけでなく、厚顔無恥になったのね。そんなことで恥ずかしくないの!」

笹木志明はため息をついた。「言ったでしょう、安心して、この件は必ず息子を説得するから。もし脅し続けるなら、もう関わらないよ!」

「じゃあ、連絡を待ってるわ!」言い終わると、吉田彩花は怒って電話を切った。

上原梅子はファイルを「バン」と大きな音を立てて机に投げ、笹木志明のネクタイをつかんだ。「言いなさい、彼女が握っている弱みって何なの?」

「彼女が嘘を言っているんだよ、信じるのか!」

上原梅子の目は特に鋭くなった。「風評には必ず原因がある。噂話でも、何かしらの経緯があるはずよ!」