第377章 五味雑陳

「焼売なんて食べたくない、もう好きじゃないの！」

「ずっと好きだったじゃないか？」橋口俊樹は信じられないという様子で尋ねた。まるで彼と焼売が一体であるかのように、彼女が焼売を好きでなくなったことは彼を好きでなくなったことと同じだと言わんばかりだった！

石塚千恵は微笑んだ。「俊樹、あなたは本当に長い間私に関心を持ってなかったのね。焼売なんて何歳の女の子が好きな食べ物？私の好みはとっくに変わったわ、今は精進料理が好きになったの！」

「精進料理？」橋口俊樹は驚いた。「お前はずっと肉食動物だったじゃないか！」

「だから今は変わったって言ってるの。もし本当に私と別れの食事をしたいなら、精進料理店に行きましょう！」

「精進料理？冗談じゃないよ？どうやって食べるんだよ？」橋口俊樹は嫌がった。彼は肉食動物とまでは言えないが、一食の中で肉のかけらも見えないなんて、とても飲み込めないだろう！

「じゃあ食べなくていいわ、やめましょう！」これはちょうどいい！

「やめるわけにはいかない、精進料理でもいいよ！」橋口俊樹は譲歩して言った。

「無理しなくていいのよ！」彼女は彼を諭した。

「いや、無理なんかしてない！」彼は強調した。「どうせ豪華な肉料理はたくさん食べてきたし、たまには質素なものも悪くないさ！」

「それならば、今すぐ行きましょう！」千恵は車を発進させ、車の流れに入っていった！

麻珠市のこの精進料理店は高級な内装で、お金持ち向けのビジネスをしていた。しかし今日は月の初めでも十五日でもなかったので、客の数はそれほど多くなかった。

広々としたレストランの中には、まばらに数テーブルの客がいるだけだった！

千恵はいくつかの生の野菜サラダと苦杏仁を注文した。

数口食べた後、彼女も少し食べられなくなった。彼女はもちろん精進料理を食べに来たわけではなく、旧正月の数日間、どんなに我慢しても少しは肉や海鮮を食べてしまい、胸がまた少し張って痛くなっていたのだ。

だから今は少しの油気も恐れていた！

ああ、この料理は笹木蒼馬の作るものと比べると、本当に差がありすぎる。

笹木蒼馬にはそんな才能があって、野菜を肉料理のようなレベルに仕上げることができるのだ！