彼女、石塚千恵は証明書類を寝室に置く習慣なんてなかったのに!
「もしかしたらあるかも?でも僕はどこも探したけど、見つからなかったんだ!たぶん不注意でクローゼットに入れちゃったのかも!」橋口俊樹は真剣に言った。
「わかったわ!」石塚千恵は仕方なくドアを開け、彼を入れた!
しかし着替えを持った彼女は、寝室にいるつもりはなく、リビングに向かおうとした!
橋口俊樹は彼女の意図を知り、彼女の腕をぐっと掴んだ。
ドアの所で止められた彼女は、眉をひそめて彼を見た。「何か言いたいことがあるの?他に何か用?」
「……」彼はそれ以上の動きはしなかったが、彼女を離すつもりもなく、ただしっかりと彼女の手首を握っていた。
石塚千恵が力いっぱい振りほどこうとすると、彼はさらに強く握った。
彼は彼女の小さな旅行バッグを見つめた。「服を持って行って、彼と同棲するつもりなの?」