笹木蒼馬の友人は本当に凄かった。十数分後には子供の情報を聞き出し、ある住宅ビルの闇血液ステーションで採血を待っていることがわかった!
「全員拘束しろ!」笹木蒼馬は怒りに震え、両目から恐ろしい光を放った!
「一時的に足止めすることはできるが、拘束するとなると話が大きくなる。結局は坂本建二の妻だからな!下の者たちは敵に回せない相手だ。彼らも生活があるし、あまり無理強いはできないよ」電話の向こうの人物が諭した。
笹木蒼馬も下の者たちの立場が難しいことを理解し、他人に迷惑をかけるわけにもいかなかった。「では息子の安全は保証してくれ!」
「その点は安心してくれ。誰も君一に手を出す勇気はないさ!」
「わかった、すぐに向かう!」笹木蒼馬は電話を切り、すぐに車のエンジンをかけた。
相手の保証の言葉を聞いて、石塚千恵の宙に浮いていた心がようやく少し落ち着いた。
……………………
君一ちゃんは採血室に長時間座らされていたが、誰も採血に来る様子がなく、吉田彩花はいらいらして落ち着かなかった。「どうなってるの?なぜまだ採血しないの?」
薬瓶を持った看護師は首を振り続けた。「まだ医師からの指示が来ていません!」
「医師はどこ?」
「医師は外出しました。どこに行ったかわかりません!」看護師は慌てて逃げ出した!
吉田彩花は怒りの目で助手を睨みつけ、容赦なく叱りつけた。「これはどういうこと?すべて手配済みで、到着したらすぐに採血できるって言ったじゃない?」
助手は叱責されて後ずさりし、首をすくめて言った。「事前にすべて手配していたんです。私もここでの手続きがどうなっているのか分からなくて…」
「なんでここに連れてきたの?早く離して!お父さんを探したいんだ!」笹木承志は力いっぱい叫んだ。
小さな子供が重罪人のように椅子に縛り付けられ、彼はただ叫び続け、怒りの眼差しでこの老婆を睨みつけるしかなかった!
「黙りなさい、この子はなんてうるさいの!」吉田彩花は叫び返した。
「じゃあ離してよ、悪い人!お父さんの許可もなく、何の権利があって僕を捕まえるの?あなたは犯罪を犯してる、訴えてやるからね、この意地悪ばばあ!」
うう、お母さんに献血したくないわけじゃない、でもこんな強制されるのは絶対に嫌だ!