第481章

「千恵！」君一ちゃんが彼女の腕を引っ張った！

「ダメ、本当にもうダメ！」もともと頭がくらくらしていたのに、君一ちゃんにこんなに引っ張られて、さらにくらくらしてきた。「うっ……ダメ、吐きそう！」

石塚千恵は口を押さえ、立ち上がろうとしたが、再び重く石段に座り込んでしまった！

「ビニール袋、ほら！」君一ちゃんは急いでビニール袋を広げ、彼女の口元に差し出した！

「ありがとう、おえっ……」石塚千恵は言葉を終える前に、黒いビニール袋に向かって激しく吐き始めた！

君一ちゃんも一緒に震え、ぶるぶると震えていた！

「おえっ……おえっ……」何度も吐いた後、石塚千恵は力を抜かれたように、膝の上に動かずに倒れ込んだ！

君一ちゃんもしゃがみ込み、心配そうに尋ねた。「千恵、大丈夫？」

「大丈夫、ちょっと座らせて！」彼女は息を切らしながら言った。

「じゃあ、口を拭いて」彼はティッシュを一枚取り出し、彼女に渡した。

石塚千恵はそれを受け取り、頬と口を拭いた！

「まだ吐く？」君一ちゃんは再び小声で尋ねた。

「もう大丈夫！」

「じゃあ捨ててくるね！」君一ちゃんは黒いビニール袋を手に取った。

「ダメよ、汚いから、私がやるわ！」石塚千恵はくらくらする頭を上げた。

「大丈夫、汚くないよ！」君一ちゃんは少しも嫌がらずに、汚物をゴミ箱に捨てた！

石塚千恵は瞬時に感動で胸がいっぱいになり、戻ってきた君一ちゃんを自分の側に引き寄せ、強く抱きしめた。「ありがとう君一ちゃん、すごく感動したわ！」

「感動しなくていいよ、千恵は僕の将来の彼女だもん、僕が面倒見るのは当然だよ！」

「ふふ……」石塚千恵は彼に笑わされた！

「歩ける？」君一ちゃんは心配そうに尋ねた。

「もう少し休ませて！」石塚千恵は疲れた様子で子供を見た。

君一ちゃんは顔色の悪い彼女を見つめ、思わず心配になった。「本当に大丈夫？」

「ちょっと眠いだけ……」言い終わると、石塚千恵は目を閉じ、自分の膝の上に倒れた！

「千恵……」

笹木蒼馬は君一ちゃんからの電話を受け、急いで遊園地に戻ってきた。

彼が到着した時、石塚千恵は意識を取り戻していた。しかし彼女の顔色はとても悪く、憔悴し、顔には冷や汗が浮かび、目もほとんど開いていなかった！

「行くぞ、病院へ！」笹木蒼馬はしゃがみ込み、彼女を抱き上げようとした！