ここは学校の敷地だ。授業中は人通りが少ないとはいえ、ずっと愛人契約の金額について話し合うなんて、あまりにも不適切じゃないだろうか?
伊藤奈々も確かに一人で暮らす女の子だ。彼女が涙ながらに頼み込んできたので、石塚千恵は断る言葉を言い出せなかった。「わかったわ。でも、私にできることは限られているわ。結局はお金の問題だし」
「大丈夫よ、お姉さん。あなたが私の味方になってくれるだけでいいの!」伊藤奈々は何度も感謝の言葉を述べた。
石塚千恵は不思議に思わずにはいられなかった。人間関係って本当に微妙なものだ。以前の伊藤奈々はいつも自分と対立していたのに、今は自分に頼みごとをしてきて、しかも自分こそが信頼できる人だと何度も言うなんて!
まったく...これはどういう展開なんだろう!