第575章 詭弁

君一ちゃんも力強くうなずいた。「そうだよ、僕と千恵はずっと仲良しだもん！パパ、千恵のこと大切にしてね。もし彼女に意地悪したら、僕が彼女を取り返しちゃうからね！」

笹木蒼馬は眉をひそめた。「笹木承志くん、安心して、そんな機会は与えないよ！」

「機会がないのが一番いいよ！！」

「ふふ……さあ、学校に行くぞ！」彼は子供の背中を軽く押した！

「ママ、行こう！」君一ちゃんは千恵の手を引いて、ぴょんぴょん跳ねながら車の方向へ向かった。

車に乗り込むと、千恵は心配そうにもう一度注意した。「君一、私があなたのママだということは今は心の中だけにしておいて、外では絶対にそう呼んじゃダメよ、わかった？」

「わかってるよ、安心して！」君一ちゃんは何でもないような口調で言った。

笹木蒼馬は子供を止めなかった。彼は心の中で自分を責めていた。自分のせいで石塚千恵がこんなに我慢しなければならないなんて。

石塚千恵は力強くうなずいた。「それならいいわ！」

すぐに車は国際貴族幼稚園の門前に停まった。笹木蒼馬は車を降りて子供を送っていく。大きな手が小さな手を握りながら、父親は尋ねた。「君一、今日はもう人をいじめたりしないよね？」

「しないよ！」君一ちゃんは首を振った！

「じゃあ、書いてはいけないことを書いたりもしない？」

「しないよ！」君一ちゃんはさらに力強く首を振った。「千恵がもう僕を叱ったもん。彼女は〜そういう言葉はとても聞き苦しいって言ったし、年齢に合わないことをすると、僕がみっともなく見えるって。僕はみっともない子になりたくないし、僕はプライドがあるもん！」

「プライド？」

「うん！」彼は力強くうなずいた。「パパは子供にはプライドがないと思ってるの？僕たち子供こそプライドが大事なんだよ！」

「いや、実は僕もお前くらいの年の時、結構プライドが高かったよ。それはいいことだと思う。だからこそ自分に厳しくして、恥ずかしいことをしないようにしないとね。そうだろ？」

「その通り！」君一ちゃんは特に素直にうなずいた。今朝は珍しく協力的だった！

ふふふ、それは彼が今「ママ」を持ったからだ。実の母親ではないけれど、実の母親よりも親しい存在。彼は千恵のことがとても好きだし、千恵は他の子供を作らないと約束してくれた。彼と一番仲良しでいてくれるって！