第569章

石塚千恵の意気込みは友人に水を差された。「ああ!」

彼女は食べながら不思議そうに親友を見つめた。なぜ彼女が好奇心を持たないのか、とても不思議だった。

松本雨音は美しい眉をひそめ、同じく不思議そうに親友を見つめた。「何見てるの?ぞっとするわ。お姉さん、まさか私に恋したの?」

石塚千恵は彼女を一瞥した。「あなたのその程度の肉なんて、学生時代に見飽きたわ。あなたには本当に興味ないわ。私はやっぱり男性が好き、私の男よ!」

松本雨音は彼女の得意げな様子を見て、からかわずにはいられなかった。「あなたの男って言わないでよ。あなたの男なの?今はまだ決まってないでしょ、将来彼が誰の男になるかはわからないわよ!」

石塚千恵はそれに刺激され、笹木蒼馬に特に自信を持って言った。「彼が私に約束してくれたの。彼の言葉を信じてる。もし彼が私と一緒にいたくないなら、とっくに私に言ってるはずよ!」

松本雨音はまた少し落ち込んだ様子で言った。「そうね、彼は...私に何も期待させなかった。いつも私に男性と知り合うよう励まして、お見合いにも行くよう勧めてくれたわ!」

「この男性は本当に紳士よね!」石塚千恵は感慨深げに言った。

「そうね、だから時々、彼が私を騙して、少しでも私のことを好きなふりをしてくれたら、今のように落ち込まなくて済むのにって思うわ!」

石塚千恵は首を振った。「雨音、あなたは騙される女性じゃないわ。言い換えれば、もし彼が本当にあなたを騙していたら、あなたはこんなに彼に夢中にならなかったはずよ!」

松本雨音は黙って、石塚千恵の言うことが正しいと認めた。

あの人に出会えたことは、彼女の人生で最も幸運なことだったはず。たとえ一緒になれなくても、この人生は本当に価値があると感じていた!

「雨音!」男性の声が響き、親友の食事を中断させた!

石塚千恵は声に反応して顔を上げ、非常にハンサムでかっこいい男性を見た!28、9歳くらいで、雰囲気は橋口俊樹に少し似ていたが、より正統派のイケメンで、彼に欠点を見つけることはできなかった!

この人はかなり裕福そうで、生まれながらの優越感も持っていた。

これが石塚千恵のこの人物に対する第一印象だった。

松本雨音は来訪者を見ても全く熱心ではなく、見なかったふりをした。