第599章 金銭対決

笹木蒼馬は切れた電話を見つめながら、側近の秘書が非常に感心して尋ねた。「笹木社長、どうして葉田さんが携帯をトイレに落としたことがわかったんですか？もしトイレに落としたとしても、すぐにあなたに電話するとは思えませんが？」

笹木蒼馬はゆっくりとコーヒーを一口飲み、笑いながら言った。「彼が別の電話で、二度目の電話をかけてきたからだよ！」

「なるほど...」秘書は目から鱗が落ちた！

笹木蒼馬は口元を歪め、さらに言った。「しかも、彼のその電話もまもなくトイレに落ちるだろうね！」

一方、葉田辰輝は怒って腕を振り、もう一台の電話がトイレに落ちた！

「くそっ...」水たまりに沈んだ二台の携帯を見ながら、彼は悩ましげに見つめていた。

うーん、誰かに拾ってもらおうかな？

こんなことは恥ずかしいし、しかも一度に二台も落としたら、もっと恥ずかしくないか？