第584章 ママが怒った

夜の帳が下り、空気の中にはまだ熱気が漂い、窓の外では蝉が鳴き止まない。

特別に着飾った石塚千恵は笹木蒼馬の帰りを待っていた。

電話が鳴り、ソファに座っていた彼女は急いでiPhone 5Sを手に取った。

「千恵！」君一ちゃんの幼い声が聞こえてきた。

石塚千恵はすぐに笑顔になった。「お風呂に入ったの？」

さっき彼女が電話をかけたとき、相良おばさんは彼がお風呂に入っていると言っていた！

「うん、とってもいい匂いになったよ！」君一ちゃんは自慢げに言った。

「本当？髪の毛はちゃんと洗った？」

「洗ったよ！」

「耳は？」

「うん、あなたが教えてくれた方法で洗ったよ、それに子供用の石鹸も使ったんだ！」君一ちゃんは素直に答えた。

千恵ちゃんは彼に、まず耳の外側と内側を洗い、それから耳の中を洗って、タオルで拭くように教えていた！