036自ら恥を招く

人の第一印象は常に先入観によるものだ。

木村愛の秋山直子に対する印象は、徳田校長から渡された個人ファイルに留まっていた。木村愛の目には、秋山直子は前科だらけに映っていた。

城田唯美と喧嘩したという通報を聞いた途端、彼女は怒りに任せて9組に駆けつけた。「高橋先生、私は前から言っていたでしょう。この生徒は受け入れるべきではないと。学校とはどういう場所か、彼女が好き勝手できる場所ではありません。彼女のような生徒がどこにいますか?」

クラス全員の視線が集まった。

秋山直子は落ち着き払って本をめくっていた。彼女は壁に少し寄りかかり、眉と目を少し伏せ、どこか無関心な様子だった。

「木村先生、これは誤解かもしれません。秋山直子さんは道理をわきまえない人ではありません。まず事情を確認しましょう...」高橋洋は眉をしかめながらドアの方へ歩き、眼鏡を押し上げた。