道中の花に悩まされ

　秋山直子。田舎育ちで、1年間の行方不明者になり、休学を経て千葉県の名門高校に編入したばかりの、どこか影のある少女。
実母に引き取られた先の新しい家族は、名家の継父、天才と名高い義兄、成績優秀な義妹と、きらびやかな面々。「あの子達の顔に泥を塗らないで」――実母の言葉が、直子の肩に重くのしかかる。

そんな彼女の婚約者は、神崎深一。気だるげな雰囲気とは裏腹に、東京の経済界にも影響力を持つ大富豪の御曹司だ。
彼は周囲にこう紹介する。「俺の直子は、田舎者で世間知らずなんだ。経済のことも疎いし、ちょっと気難しいけど……まぁ、みんなよろしく頼むよ」
だが、それは彼なりの優しさなのか、それとも――？

ある日、深一が追っていた某大物の調査の過程で、彼の有能な部下が偶然衝撃的な事実を発見してしまう。それは、深一が「何も知らない」と言っていたはずの直子の、信じられないような「隠された一面」だった。
（……え、奥様、一体何者なんですか！？）部下は驚愕のあまり、思考が停止する。

これは、お互いの「とんでもない素性」を隠し合うカップルの物語。彼らが秘密を打ち明ける時、何が変わるのでしょう？



二人の隠しこと

初心者、マスター、達人、最上級、このゲームは他のゲームとは違う。


五人チームやデュオなら、技術とチームワークがあれば最上級に上がるのは難しくない。


でもソロは天に登るほど難しい。チームメイトが協力してくれるかどうか分からないからだ。一人で九人を倒せない限り、最上級に上がるのは容易ではない。


しかしプロチームでさえ、本当に一人で九人を倒せる選手は少ない。


OSTでは杉森真琴と三雲明だけだが、三雲明でもかなり危ういときがある。杉森真琴だけが比較的安定している。


OSTの看板である陽神は名ばかりではなく、神と呼ぶに足る実力を持っている。


だからソロで達人九星まで行けば、本当に神レベルと言える。


秋山直子はうなずき、目を伏せたまま何も言わなかった。彼女は本当に、達人九星なんて…たいしたことないと思っていた…


183秋山、こっちだ！（三更）