「この荷物は……秋山さんのですか?」神崎火は言葉の途中で固まってしまった。
神崎水は雲光財団と聞いて反射的に神崎深一を思い浮かべたが、秋山直子のものだとは思わなかった。
彼は荷物を手に取り、「秋山さんに届けてきます」と言った。
神崎火も頭を傾げて星館主たちに一言、「先に会議室へ行っていてください、すぐ戻ります」と告げた。
そして小走りで神崎水に追いつき、声を潜めて非常に驚いた様子で「秋山さんが雲光財団の人を知っているなんて?」と言った。
神崎木は彼らに一度も話したことがなかった。
二人が正門を入ると、二階から降りてくる神崎深一が見えた。彼は今日はよく眠れたようで、以前のようなだらけた様子はなかった。
「リーダー」神崎火と神崎水は足を止め、非常に敬意を込めて呼びかけた。